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今、強いビジネスパーソンの条件とは
桜の開花が平年より10日以上も早く訪れ、平成24年度は満開の桜に見守られながらのスタートとなりました。日に日に増す春暖と並走するように昨年末から続いている株価上昇、円安傾向。景気回復のシナリオが浮かぶ期待感から各種マーケットにも明るい変化の兆しが見えてきています。
SNSなどに代表される新興ビジネス、メタンハイドレードを中心とした国産次世代エネルギー開発…。日本の新たな産業として優位性が議論され始めるなど、ビジネスの種を発掘し産業として成長・発展させていく日本のパワーが、冷え込んでいた私たちの心に高揚感を与えてくれています。
このようにビジネス界での新旧交代が活発化する中で、私たちを取り巻く労働環境、雇用環境もダイナミックに変わってきました。歴史・名門・伝統を謳う企業においても、ついに年功序列、終身雇用に終止符が打たれ、30代、40代でキャリアの岐路に立った方々が転職市場に現れてきています。つまり今を生きるビジネスパーソンのすべてが、「非連続性の中で働き続ける強さとしなやかさ」を持つことが必要不可欠な時代となったのです。
そうしたシビアな労働環境を考えた時、転職経験は大きな強みになると考えます。会社への忠誠を尽くしても未来永劫続く約束がない以上、経験・スキルをどのように生かし、次のステージにどう打って出るか準備しておくのは当然のこと。そして転職は、その判断力を磨くよい機会なのです。
また、雇用は世界的な需給バランスによって成り立つものなので、たとえ飛び抜けた優秀さや絶対的と思われるスキルを保持していたとしても、必ずしも思い描く理想の仕事選択ができるとは限りません。絶えず変化する社会の中では、アンコントロールな局面に立たされる場合も少なくない。そうした実情を転職から知ることができます。
「猛烈なスピードで目まぐるしく変わるビジネス社会」。ここに身を置く以上、私たちが仕事のスキル以外に養っておかなければならない力。それは自分自身ではコントロールできない状態を受容する寛容さ、そして社会や組織と一定の距離感を保ち冷静に現実を俯瞰できる客観性です。それによって自分自身の時流に合った働き方を見極める力が大切であり、そこにこそ、これからのビジネス界で成功するコツがあると言えるのではないでしょうか。
グローバル競争の時代に突入した私たちは、世界のプレーヤーと互角に戦う中で、労働環境も日本的枠組みから脱皮せざるを得なくなりました。その環境を春から初夏へと向かう気分のように、「新たなチャレンジができる時の訪れ」と捉えられるか。今、確実に必要なことは、「世界の需給バランスの中での自分の立ち位置」を把握できる目を養うことだと思います。
KANAEアソシエイツ株式会社
代表取締役
阪部 哲也