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女性幹部登用強化の流れは、国際社会の趨勢

 4月1日付けの人事に先駆け、「銀行」初の女性社長、生え抜き女性役員の誕生が先月、大きく報道されました。野村信託銀行社長に真保智絵氏、大和証券グループで女性初の常務取締役員に田代桂子氏、みずほ銀行では有馬充美氏が執行役員コーポレートアドバイザリー部長に就任。
 これらの報道は金融業界における女性進出を鮮やかに印象付ける、喜ばしいニュースとして注目を集めました。
 安倍政権の成長戦略が掲げる「女性の活躍推進」が背景にあることはもちろんですが、何よりも現代の国際社会の中でOECDやIMFから「日本は女性をもっと活用して経済を活性化するべきだ」と名指しで提言を受けたことが後押ししたことは否めません。とりわけジェンダー・ギャップ指数において「政治」「経済」の分野で活躍する女性の割合が少ないことが問題視されており、国際社会の中で力を競う金融機関がダイバーシティを推進するのは時代の趨勢と言えるでしょう。
 男の牙城というイメージの強い金融業界ですが、資産運用分野ではこれまでも男女の性差に関係なく、優秀な人材がファンドマネジャーとして活躍できる風土がありました。しかし極めて女性の活用に保守的だった「銀行」が新しい潮流を受け入れたことは今回の登用を契機に、女性活用の波はいよいよ強まると予想されます。
先に挙げた大企業のように長い年月をかけて管理職候補となりえるキャリアを確実に積める土壌が用意され、なおかつ優秀な人材の層が厚い一部の企業においては、生え抜き女性役員の登用に拍車がかかることは間違いないでしょう。
 しかし一方で見逃せないのは、急激なグローバル化の波に対応できず、女性の活用支援に時間をかけてこられなかった企業の動向です。経済産業省と日本証券取引所が選出する「なでしこ銘柄」が物語るように、業績の向上に女性活用を戦略としてつなげている上場企業がバリューアップしているいま、外部の優秀な人材をヘッドハンティングして管理職にしたいというニーズも高まっています。しかし、このようなエグゼクティブ求人の採用は至難の業。
KANAEアソシエイツはこうしたご依頼の一助となり得ると自負しております。

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阪部 哲也

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