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“転職35歳限界説”の嘘

株式相場の回復、NISAの特需による個人の投資意欲の高まりなどを背景に景気回復への期待感は求人市場においても、さまざまな変調となって表れています。

第一に、人材不足の問題です。若手採用ニーズが高騰する証券、投信会社においては「採用したい世代の空白化」が起きています。この世代とはまさに、サブプライム直後に社会人になった世代です。言うまでもなく、2008年の翌年、2009年4月~2011年の期間は金融業界において新卒採用がストップした時期にあたります。「探してみつからない」のではなく、「存在しない世代」へのニーズがいまになって生じているのですから皮肉なものです。この現実を踏まえ、採用側には従来では考えられなかった採用方針の変更、つまり「未経験者採用」へのギアチェンジを求められています。未経験者採用によって優秀な人材がゼロベースの発想を持ち込み、金融業界に新たなイノベーションを生み出してきた例は過去にも経験がありました。

こうした買い手市場と売り手市場の需給バランスのギャップは同時に、 35~42歳の金融スペシャリスト人材にとって「黄金期の到来」という恩恵をもたらしています。40代のMD誕生など、これまで誰も想像しなかったようなビックオポチュニティが用意されているのです。圧倒的な売り手市場の優位性は、熾烈なwar for talent を生んでおり、事実、人材の獲得にはますます戦略的な採用計画が不可欠です。その厳しさは企業側の採用担当者の焦燥からも、うかがえるほどになっています。

証券、アセットマネジメント、投資業務など金融スペシャリストとしてのキャリアにとって新たなステージの選択肢に加え、昨今、金融スペシャリストを求める事業会社からの引き合いも強くなっています。金融業界で培った知見を事業会社で活かしたいとお考えの方には願ってもないチャンスの機運が巡ってきているといっても過言ではありません。

35歳を過ぎてからの転職は難しいという世の中の通説は、今日までキャリアを重ねてきた金融スペシャリストとは無縁です。35歳~40代前半の方においては「勝負のチャンス」が確実にいま、存在することをお伝えします。   

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阪部 哲也

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