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企業内弁護士/金融機関や総合商社で拡がる活躍のステージ
企業内弁護士の求人が増えています。
企業が抱える企業内弁護士の人数が1,000人を超えたとの報道を耳にしたのはいまから4年前、2014年のことでした。この10年間で、その数はおよそ約10倍の飛躍ともいわれています。とりわけこの数年、情報セキュリティー強化や訴訟対応が急務となった大手インターネットサービス企業では、多数の企業内弁護士が採用されて参りました。しかしながら、社内弁護士を抱える企業トップ20に名を連ねている企業の半数以上が、大手金融業界や総合商社であることはあまり知られていません。その求人ニーズは依然旺盛で、活躍の場も多方面に拡大しています。
金融機関においては、総合金融サービス実現に向けた課題解決、マネーロンダリング防止などのリスク管理、国際金融規制への対応、海外M&A、加速するフィンテック事業など、有資格者の専門性が益々求められています。従来の訴訟対応などの「守り」だけではなく、「攻め」の役割が求められているのです。配属先も法務部門にとどまらず、M&A関連部署、投資顧問など、現場のフロント業務に近い部署が多く、「チーフ・リーガル・オフィサー」といった高い役職で迎えられることも珍しくありません。最近では司法修習修了者を前倒しで採用し、社内で育成するメガバンクもでて参りました。まさに法務に強い人材の獲得が経営戦略上重要視されていることの証といえそうです。
総合商社では資源開発などの大規模な海外プロジェクトから、数百社を超える国内外の子会社のガバナンス・コンプライアンス・労務管理等の支援に至るまで、企業内弁護士の業務の幅は広く、日本の弁護士資格保持者のみならず海外の弁護士資格を持つ人も多数迎えられています。以前から異業界からの転職者が多く、こうした転職者の扱いに慣れていることも総合商社の特徴と言えましょう。
こうした求人ニーズの拡大・職務の多様化に呼応するように、当社に転職相談におみえになるお客様のお気持ちにも変化がみられます。
法曹界から一般民間企業への転職では、報酬が減ることも珍しくありません。しかし、例えそうであったとしても、「さまざまな事業構想において法的スキームの検討に携われる/さらに専門性を高めたい」と中長期的なキャリアビジョンを鑑みて企業内弁護士という選択肢を視野に加える方、また、ワークライフバランスを求めて企業内弁護士を志向する方も多数いらっしゃいます。
有資格者の皆様におかれましては、今後のキャリアパスの多様性を拓くひとつの道筋としてご検討されるに値する選択肢をご紹介できる可能性がございます。ご興味をお持ちの方は、ぜひご相談ください。
専門コンサルタント 朝田恒平