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キャッシュレス社会へ。大転換期の機会創出
今年10月に予定されている消費税増税時の景気対策を狙ったポイント還元の実施や電子マネーでの給与支払い解禁など、キャッシュレス決済推進に関するニュースを頻繁に耳にするようになりました。キャッシュレス普及率96%で世界第1位の韓国と比べますと日本の普及率は19.8%と大きく引き離されているのが現状です。政府は2027年までにキャッシュレス決済比率を現在の2倍である40%に引き上げるという数値目標を掲げており、経済産業省が発表した報告書「キャッシュレス・ビジョン」ではキャッシュレス決済推進の目的として、インバウンド消費の取り込み、現金決済コスト削減、新ビジネスの創出の3つが挙げられています。
一つ目のインバウンド消費の取り込みについては、2020年の東京オリンピック開催を目前に訪日外国人の消費促進に注力すべく、地方都市や観光地におけるキャッシュレス決済の環境整備が急がれています。二つ目の現金決済コストの削減は、総額1兆6,000億円ともいわれる現金決済インフラ(通貨発行、店頭設備、警備、ATMなど)のコスト削減を狙ったものです。そして、今回注目したいのは三つ目に掲げられた「新ビジネスの創出」と、これに伴う求人ニーズについてです。キャッシュレス決済普及を成長戦略と位置付ける気運もあり、新ビジネスの創出への期待がますます高まっています。
例えば
・三菱UFJフィナンシャル・グループと米アカマイ・テクノロジーズが提携して誕生した大量・少額決済に対応した世界最速の取引処理性能を持った新型ブロックチェーンの決済ネットワーク、
・中国のアリババ傘下の決済サービス、アリペイの付帯機能『芝麻信用』のように決済履歴を活用してAIが消費者の信用スコアを判断し、中小企業や個人向け融資の高速化を図る金融サービス、
・モバイル決済履歴から顧客の志向性を把握し、「あなたへのお薦め」情報を提供するレコメンドサービス、
・LINE Payのユーザー同士の個人送金サービスをはじめとする「スマホ決済」サービスなど。
これらはほんの一例にすぎません。金融サービスはまさに大転換期を迎えています。
このようなプロダクト・イノベーションと称されるサービス革新に伴い、求人ニーズも高まっています。この動きは金融機関各社だけでなく、いわゆるプラットフォーマーといわれるIT系新規参入企業やFinTech企業からの求人ニーズの活発化からも顕著です。金融庁が金融機関に対してオープンAPIの強化をおし進めたことが、人材の流動化をさらに後押ししています。そのためメガバンクや地方金融機関各社は、リテールマーケティング、IT戦略、デジタル企画などの事業部門を新設し、フィンテック企業と提携して新しいサービスや商品を開発できる人材を広く募集しています。またセキュリティ強化も大きな課題であり、経験者には幅広い活躍のチャンスが広がっていると言えます。
現在、とりわけ求められている人材はカード会社、銀行、システム開発企業において決済関連サービス・商品開発のご経験のある方です。いずれも金融機関とプラットフォーマー企業、FinTech企業などから高いニーズがあります。
2000年台の初頭にSuicaやEdyなど電子マネーが市場に台頭した際も、「金融サービスの大転換期」と言われました。クレジットカードからICカードへ、ICカードからスマートフォンへ。いずれも決済サービスをめぐるデバイスの進化でした。おそらく今後、さらなる技術革新によってバイオメトリクス認証(生体認証)、あるいは人体に埋め込まれたICチップなどへとデバイスは進化していくでしょうが、こうした過渡期の現場に立ち合えることは、そこで働く人々にとって、大きなチャンスと言えるでしょう。
ご自身の志向性や思い描くキャリアパスに応じて選択するポジションは変わってくるかと存じますが、弊社は金融機関とプラットフォーマー企業、FinTech企業のいずれの人材ニーズにも精通しております。求められているご経験やスキルだけでなく、風土や環境、キャリアパスを見据えた転職先のご提案を差し上げられるのは弊社の強みであると自負しております。お一人お一人の希望に合わせた最適なポジションをご紹介いたします。金融サービスというエコシステムの大きな変化をチャンスと捉え、ここで一度、ご自身の立ち位置を展望してみませんか。ご興味のある方はぜひ、この機会にご連絡ください。
担当コンサルタント 朝田恒平