新設住宅着工戸数はこの数年堅調に推移し、今年も前年と比較すると全体で0.7％上昇しています。一方で昨年3月、三菱UFJ信託銀行が新規の住宅ローンから撤退を発表。既存のローン契約に関してはそのまま管理を続けながら、新規案件は同グループ内の代理店として住宅ローンを扱う体制に変わりました。この流れはある意味、時代の潮目を感じさせる変化だったように思います。撤退の背景にはネットバンクの台頭や銀行店舗以外のATMの普及、人口減少に加え、やはり長引くマイナス金利の影響ではじまった低金利競争による採算悪化などがあります。

　こうした厳しい競争環境下にあって、モーゲージバンクの人材ニーズが堅調です。

　もはや低金利競争だけでは競合優位を保てない為、モーゲージバンク各社は異業界の様々な企業と連携した住宅ローン以外のサービスを成長戦略として掲げ始めました。例えば、
　・保険会社と連携した、住宅瑕疵保険や地盤保証、建設後の業務などの保険サービス
　・引っ越し業者や通信配線サービス会社と提携した、新生活のために必要となる各種インフラ申込みの手間
　　を軽減するサービス
　・外食産業やフィットネス施設と提携した優待サービス、など。
住宅ローンのみならず、住生活で予想されるさまざまな顧客ニーズをきめ細やかに汲み取り、ソリューションを提案する。モーゲージバンクにはそんな総合的なトータルコーディネート力が必要とされつつあるのです。

　弊社からのご紹介でも毎月のように数名の方がモーゲージバンクへ転職を果されています。応募の際、多くの方は「住宅ローン業務」への関心に加え、「お客様のたいせつなライフイベントに立ち合える幸せ」をやりがいとして挙げられます。そして転職後は、「住宅ローンの審査だけでなく、さまざまなコンサルティング業務を通じてパートナーとして感謝される仕事が増えた」と喜ばれる方が、多数いらっしゃいます。　

　私事で恐縮ですが、私は今でもわが家の住宅ローンの融資審査をしてくれた担当者のことをいまでも憶えていますし、もちろんいまでも感謝しています。かつて「地図に残る仕事」という建設会社の名コピーがありましたが、住宅ローンに携わる仕事はお客様の「記憶に残る仕事」と言えるのかもしれません。当社はこの分野においても多数の求人をお預かりしています。「住宅ローンを核としたライフソリューションのコンサルティング業務」そんなキャリアビジョンに興味をお持ち頂けましたら、是非この機会に一度、ご相談下さい。
　　
専任コンサルタント　辻勇人