2020年年始、三菱UFJ銀行はEco通帳（インターネット通帳）に切り替えた顧客のうち、先着20万人に1000円（総額2億円）を贈呈するキャンペーンを実施し、話題になりました。ご存じのように、店舗の在り方をはじめ銀行は日々、進化しています。ネット（オンライン）、非対面（アウトバウンド、テレマーケティング、チャット）、店頭相談（オフライン）など顧客が望むチャネルを用いた先進的なサービスの提供により個人や中小企業の利便性を計るための幅広い取り組みが行われています。事前の予約、店頭でタブレットを用いた手続き、税金や公共料金の払い込み用紙も利用可能であることなど、実際にこうした変化を日々の生活の中で体感されている方も多いことと思います。こうした「選ばれるリテールベストバンキング」へのチャレンジは銀行業界全体で現在進行中と言えます。

　三井住友銀行の「SMBC+マネービバ汐留」もその試みのひとつです。「ビジネスパーソンに選ばれる店舗」をコンセプトに、窓口のないキャッシュレス店舗として汐留出張所として構えられました。働く人が立ち寄りやすく、利用しやすい開放的なカフェのようなスペースでSMBCデビッドカード保持者であれば、無料でドリンクが楽しめるサービスなども展開しています。

　「ワンストップサービス」をいち早く掲げたみずほ銀行においては、銀行、信託、証券のコンサルティング窓口を店舗に充実させ、顧客のニーズに応じたコンサルティングサービスを対面で行うサービス提供を強みとして打ち出しています。
　
　こうした動きに伴い、中途採用市場も活発化しています。デジタル化、web化を進め、よりユーザビリティの高い顧客体験を企画推進できる人材のニーズが高まっており、特にWebに強く、IT、アプリ開発においてプロジェクトの全体管理ができるマネジメント人材が求められています。中小企業の経営支援をオンラインで可能にするサービス開発、高齢者の多い地域のキャッシュレス環境整備、次世代型店舗の開発・運営、法人向けデジタルサービス推進など、課題やニーズに応じて求められるスキルは異なりますが、商品開発、IT・デジタルを活用した新規事業開発、データ分析を活用した店舗管財業務の経験者への引き合いが強くなっています。日々変化する顧客のニーズに迅速に応えるべく、ゼネコン、消費財メーカー、通信など異業界の経験者へ広く門戸を開いていることも特徴的です。
　
　弊社に転職相談におみえになる方の中には、異業界から銀行業界への転身に逡巡される方もいらっしゃいます。その時、私がよくお伝えしていることは、現在、銀行業界はまさしく進化の過程にあるということです。従来の銀行業務と比べ、よりインフラ強化が求められ、より迅速に顧客サービスに対応できる柔軟性が問われています。

　融資や資金提供を通じて、幅広い業界に貢献できる過渡期の銀行業務に携わることは将来のキャリアパスを視野に入れた時、とても大きな影響力を担保できるはずです。ご興味のある方は、ぜひ一度ご相談ください。

　専任コンサルタント　　澤田勢多