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コロナ禍以後の不動産投資市場と求人動向の変化

 コロナ禍の影響で、リモートワークの拡大によるオフィスビル需要減や、ホテルや商業施設の空洞化など、不動産に関するネガティブな報道を耳にする機会も少なくありません。しかしデベロッパーや不動産ファンドの関係者にお話を伺うと、セキュリティ面やコミュニケーションなどをはじめとするリモートワークの限界や、オフィスの縮小に動く企業はサテライトオフィスを充実させる動きがあることから、「オフィスビルの需要がこのまま減少を続けることはない」との見方が多数を占めます。総合不動産サービス大手JLLが実施したグローバル投資家調査のアンケートによれば、84%の投資家が2021年前半までに不動産投資額が回復すると見込んでおり、投資家の不動産離れは一過性のもので、時間の経過とともに回復するという見方が強まっています。
 
 こうしたポジティブな見方を裏付けるように、国内勢では三井不動産が新宿三井ビルやグラントウキョウサウスタワーの区分所有持ち分を傘下のREITへ売却する一方、東京ドームをTOBにて買収する動きなど売買共に大きな動きが出てきております。また日本で大型投資を仕掛ける大手外資系ファンドの動きも加速しています。香港の大手投資ファンド、PAGが日本の不動産に最大8400憶円を投じると発表。また、カナダの大手不動産ファンド、ベントール・グリーンオークが企業資産売却の受け皿となる投資に今後、2~3年で1兆円を投じるとの報道や、同じくカナダのブルック・フィールドが日本に拠点を構え、日本市場への本格参入の動きも出ています。日本の不動産市場はまだら模様の回復中とはいえ、アジア圏のポートフォリオの中でも安定して高いイールドスプレッド(利回り差)が見込める割安感のある市場として捉えられており、コロナ禍以後もその安定性、安全性が投資妙味となっているようです。

 こうした背景から不動産投資市場の求人ニーズは、緊急事態宣言直後に一時的に減速したものの、コロナ禍の影響をさほど受けないまま、堅調に推移しています。

 ポジション別に見ると、とりわけアセットマネージャー、アクイジションの求人ニーズが増加しております。特にAMの中途採用市場に関しては、これまで経験者に限定して中途採用を行って来た企業がAM未経験の若手や中堅層のPM職経験者に門戸を広く開くケースが増えています。その他の売買仲介職、PM職、FM職、CM職、アンダーライティング、企画、財務・経理など、フロント業務からミドルバック業務に至るまで様々な職種で求人ニーズがあります。そのほとんどが欠員の補充ではなく、増員募集であることが特徴的です。若手優秀層については経験職種・経験業種ともに問わない求人も散見されるようになりました。

 このように多種多様な求人ニーズがある現在は、求職者にとっては、自らが実現したいことに焦点を当て、選択可能なよい機会であると思われます。弊社へお見えになる方の多くは、「扱うアセットクラスを増やしたい」、「より大きなサイズ感の物件に関わりたい」、「給与水準をあげたい」、「スポンサーとの距離感や力関係を変えたい」、など複数の様々な観点からご自身のキャリアパスを吟味され、数ある選択肢の中から検討しておられます。是非、この機会に3年後、5年後のキャリアを見据え、ご自身のキャリアパスの選択肢を探ってみることをお勧めします。ご興味を持たれた方は、ご相談ください。
                        
 専任コンサルタント 内田徹 

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