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運用会社におけるオルタナティブ投資。注目度と採用動向の変化

 資産運用ビジネスにおいて「オルタナティブ投資」が投資の選択肢のひとつとして確立しており、昨今の国際的な情勢不安や金利の変動もあって、運用会社におけるオルタナティブ投資の更なる活況化がみられます。本稿ではオルタナティブ投資の直近の業界動向と、それに伴う採用動向の変化について述べて参ります。

 オルタナティブ投資を積極的に行っている事例として、世界最大の機関投資家であり日本の年金運用機関であるGPIFがあげられます。GPIFのオルタナティブ投資は、総資産194兆円(2021年9月末)という莫大な資産のうち、約0.7%、対前年比で4千億円増の1.3兆円となっています。共済組合や生命保険会社でもオルタナティブ投資の割合の増加は引き続き堅調であり、第一生命ではヘッジファンドなどを通じたオルタナティブ投資については引き続き積み増し、収益力の向上を狙う、との運用方針を打ち出しております。
 
 オルタナティブ投資は株や債券と比べ長期的運用が求められるため、すぐに解約ができない、投資のしにくさ、処理の難しさなどがそのデメリットとして挙げられますが、一方で希少な投資機関へのアクセス、投資分散効果が期待できる、相対的に高いインカムなど、デメリットを上回る収益の妙味があるため、多くの投資家を魅了していることは間違いないようです。金利の変動との兼ね合いもあり、確かに一本調子で右肩上がりとはいえないまでも、ポートフォリオにおけるオルタナティブ投資の割合は今後、増えることはあっても減ることはなさそうだと強気に見る向きもあり、運用会社における経験者への採用ニーズは堅調です。

 そんななか、企業の人事担当者様からの採用の課題として挙げられたのが、前述の機関投資家からのオルタナティブ商品の堅調なニーズがあるものの、オルタナティブ商品の運用やプロダクトに精通した経験者がなかなか見つからない、というお悩みでした。

 もともと後発のオルタナティブ投資の専門会社は少数精鋭のチームで運営されている企業が少なくありません。そのため即戦力となる40代〜50代の経験者が優遇される傾向にあったため、転職市場には経験者、特に次世代を担う中堅・若手層の方が少なく、各社とも採用には苦戦されているのが現状です。そのため最近は即戦力にこだわらず、ポテンシャルを期待できるなんらかのご経験や能力をお持ちの方に門戸が拡大しつつあります。 例えば最近当社では、アセットマネジメント会社で年金営業としてご活躍されていた方の、オルタナティブ投資専門会社のクライアントリレーションポジションへのご転職をご支援させて頂きました。本ポジションですと、即戦力といえば「オルタナティブ商品のプロ投資家向けセールスご経験ある方」ということになりますが、こちらの方は、多岐にわたるプロダクツの知識をキャッチアップできる柔軟性とビジネスレベルの英語力を備えていらっしゃったため、潜在的に能力があると期待していただけたのです。

 他にも下記のような経験をお持ちの方であれば、運用会社におけるオルタナティブ関連求人への候補対象として採用されるケースも増えております。

・信託銀行における年金PM経験者
・年金・機関投資家向けのクライアントサービス
・運用会社における地銀向け公募投資のセールス経験者
・保険会社におけるアセットアロケーション経験者
・金融業界経験者(職種問わず)で証券アナリストをもっており、ビジネス英語が堪能な方
・資産運用会社、信託銀行で営業経験をお持ちの方
・私募不動産ファンド、ヘッジファンド、PE、インフラ、いずれかの経験をお持ちの方

 仲介する立場の私たちの仕事はキーワードを頼りに、当該する候補者のスキル、経験のみならず、ご本人の希望になるべく添いたいですし、その転職によって将来のキャリアパスの選択肢が増えるものであって欲しいと考えます。先入観を持たずに、多くの選択肢をご提案し、企業側候補者側双方ともにいかにマッチングの可能性を拡げていけるか。私たちの存在価値はそこにあると自負しております。オルタナティブ関連職種にご興味のある方は、ぜひ一度ご相談ください。

 コンサルタント 益田あずさ

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