KANAE ASSOCIATES

TEL 03-3431-7700

最新情報News

銀行における「リテール向け商品企画職」のキャリア採用動向

 2023年末、みずほ信託銀行は信託の機能を使い高齢者が保有する投資信託を相続発生時に子や孫など次世代に引き継げる仕組みの商品化に向け、始動すると発表しました。次世代へ金融資産を円滑に移す取り組みの後押しとともに、高齢者に認知能力の問題があれば事前に指定した人へ投資信託を引き継げる特約も準備する予定とのことで、新たなサービス内容が盛り込まれていることが特徴的といえます。他にも三菱UFJ信託銀行では、生前贈与で得た資金で投資信託を毎月積み立てられるサービスを開始しています。
 ここ数年、大手銀行では先述のように既存の商品や従来のサービスをアップデートさせることで顧客の利便性向上を図り、よりよい資産形成を後押しする動きが目立ってきました。こうした世の中の社会構造の変化に伴うサービスの改変は、銀行におけるリテール向け商品企画ポジションのキャリア採用にも影響を及ぼしています。そこで本稿では弊社が転職支援をさせていただきました候補者様および企業側採用担当者様と対話を通じて得た、リテール向け商品企画職ポジションの採用ニーズについてリアルな情報をお伝えして参ります。

 「商品企画職」といえばこれまで新卒入社で生え抜きの成績優秀者が数年後に配属されるイメージでした。しかし、ここ数年多くの銀行がキャリア採用に踏み切っており、同業他社の企画職経験の方を採用しており、以前に比べ門戸が開かれたと言えます。実際にリテール向け商品企画ポジションは求職者にとっては大変惹きの強い職種です。

 求められる経験やスキルとしましては、銀行や信託銀行など金融機関でリテール向けの業務に対する企画経験、金融商品販売推進経験、マーケティング経験などが挙げられます。一例として、資産運用商品ではなく住宅ローンなど限定した商品の企画や営業企画の方も業務の親和性が高いということで、選考に進んでいらっしゃる例がございます。珍しいケースかも知れませんが、異業界でのデータ分析やデジタル分析経験の親和性からキャリア採用が決まった方もいらっしゃいました。

 求人票に「リテール商品企画職」とシンプルに記載されていても、具体的な業務内容は実にさまざまです。たとえば、富裕層顧客向け商品の企画があれば、非対面のネットバンキング向けの商品企画やプロモーション企画もあり、扱う商品、推進する企画内容は多岐に渡ります。さらに企画、マーケティング、推進管理を一気通貫で求められる部署があれば、チーム体制で個別に専門的なアプローチが求められるポジションもあります。経営および営業戦略の策定、セミナー開催の企画遂行、社内勉強会の企画実行など現場が抱える課題に応じ、付随する業務内容もそれぞれ異なります。また商品企画と聞くとゼロからの革新的な新しい企画立案を求められるとイメージされる方が多いですが、実際は既存の商品を現状の社会情勢や顧客ニーズに合わせ、更新し、編み直していく地道な業務も少なくありません。

 弊社を通じ銀行のリテール商品企画職にキャリア入社をされ、現場でご活躍をされている方も増えております。ご入社を決めた動機を伺いましたところ、次のような声が寄せられました。
・「お客様への貢献度を間近に感じられ、影響力の大きい仕事ができる」
・「顧客目線に立って商品企画・既存商品のアップデートができる」
・「相続・資産承継関連の商品企画など、社会の変化やお客さまのニーズを踏まえた社会貢献度の高い業務に携わることができる」
 ひとくちに「リテール向け商品企画職」と申しましても、求人ごとの業務内容や現場の課題観はそれぞれ違いますが、採用部署でヒアリングした肌感覚の情報をお伝えできることがエージェントの介在価値であると自負しております。ご興味を持たれた方はぜひ一度、御相談ください。

 益田あずさ

現状に満足しない、志あるプロフェッショナルのために。 Copyright © KANAE ASSOCIATES Co.,Ltd. All Rights Reserved.