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店舗を縮小するメガバンク リテール営業職の転職

 2021年初頭、三菱UFJ銀行の次期頭取となる半沢淳一氏は現在6つある事業部門に、新たにデジタル領域を専門に扱う部門を加えると発表し、デジタルシフトで成長を狙う世代交代感を印象付けました。みずほ銀行は現在500箇所ある店舗拠点を2024年度までに130箇所減らす方針を打ち出しました。三井住友銀行では高齢者などへの配慮からATMで現金対応できる手段を残しつつも、国内300店で窓口の「キャッシュレス」を推進し、2022年度までに現金の受け渡しを取りやめる方針です。
 いずれのメガバンクも、スマートフォンやコールセンターなどを駆使した非対面の取引手法を拡大させており、リテール営業の役割が見直されています。

 こうした中、弊社にご相談にお見えになるメガバンク勤務の方が増えています。「高機能ATMに自分のキャリアが代替されるのではない」か、という漠然とした不安感をお抱えの方をはじめ、「キャッシュレス化に伴うデジタル決済端末導入のノルマにやりがいを見出せなくなった」という方、「人事異動で前例のない職種間異動を経験した」方など。ご相談におみえになるきっかけは様々ですが、ご自身の将来に対する不安感を抱いていらっしゃることは多くの方に共通しています。店舗が減少すれば、当然、ポスト減少というシビアな側面もあるからです。

 しかし悲観的になり過ぎる必要はありません。銀行でのご経験は業界を超えて、多様な分野で歓迎されています。信託銀行や運用会社、VC/PEなど、金融業界内での転職はもちろんですが、M&A仲介会社や戦略・IT関連のコンサルティング会社、事業会社の財務や経営企画職、営業職など、メガバンク出身者の転職先は多岐にわたります。そんな中において、最近にわかに人気が上昇しつつあり、私どもも注目している銀行からの転職導線が二つあります。「IFA」と「地方銀行」です。

<IFA/独立型資産運用アドバイザー>
 近年、増加傾向にあるIFA(独立型資産運用アドバイザー)への転身はご自分が担当する顧客との関係構築という点で魅力を感じる方が少なくありません。銀行や証券会社であれば、一般的に3~5年で担当替えや配置換えが行われる中、生涯パートナーとしてお客様と向き合うことのできる醍醐味にやりがいを感じる方が多いようです。また、転勤と無縁なこともメリットのひとつでしょう。報酬が成果主義であることに躊躇する方もいらっしゃいますが、逆にこのことを魅力に感じる方には興味深い選択肢といえましょう。
 昨年末、小職もIFAへの転職向けセミナーへ参加してみました。平日開催であるにも関わらず100名ほど参加者がおり、参加者の中には、証券・銀行出身者はもちろんですが、将来IFAとして起業しようとお考えの方も多くいらっしゃったことが驚きでした。IFAで起業するには、現在(コロナ禍の影響もあり)半年ほど時間がかかっているようです。その間、別のIFA企業に所属しながら、起業の準備をされる方もいらっしゃいます。数か月後、起業しようとしている方も積極的に受け入れる体制が整っていることはIFA企業の特徴かと思います。

<地方銀行>
 地方銀行への転職は、従来であればUIターンの希望者が主でしたが、コロナ禍で急速にリモートワークが普及したことにより「都心に住む必要性を感じなくなった」という動機が後推ししているケースも珍しくなくなってきました。メガバンクに比べ、中途採用を積極的に行っている地方銀行も少なくないので、比較的転職しやすい状況ではあります。また、最近では「相続」というキーワードから、信託業務を自前で始めようとする地方銀行も多く、体制作りから、企画、推進、実際のフロント業務までをこなす必要があるため、同業務の経験があるメガバンク・メガ信託ご出身者は特に歓迎されています。

 以上、最近のメガバンクリテールからの新しい転職導線として、IFAと地方銀行への転職をご紹介しました。店舗縮小などで弱気になられたり、不安感を抱いている方も多いと思いますが、金融業界でのご経験者を歓迎する企業は前述の通り多様です。豊富な選択肢から選べるというメリットがある反面、選択や意思決定が難しいかもしれません。私たちは豊富な事例をもとに第三者的な視点から、皆様の将来のキャリアパスを見据え、ご提案させていただきます。ご自身のキャリアを俯瞰する機会の一助になれたら幸いです。是非、ご相談ください。

 専任コンサルタント 畑山良太

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