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DX推進に伴う、人事採用・制度企画人材への新たな求人ニーズ

 既存システムを見直し、デジタル起点の企業変革を図るべく、メガバンク各社は事業部を設立し、いち早くデータサイエンティスト、DX/IT戦略、UIUX、マーケティング、エンジニアなどの人材募集に取り組んで参りました。こうしたDXやAI推進に伴うITデジタル人材の求人ニーズはいまなお引き続き堅調です。経済産業省の「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」に拠れば、DX人材の不足がもたらす経済損失は2025年では最大で年間12兆円となる可能性があると予測されています。言うまでもなく、DX・IT人材はあらゆる業界において引く手あまたです。もちろん、金融業界も例外ではなく、更なる採用力強化のために、人事部門の採用のニーズが益々高まっています。

 長い間、プロパー社員の砦とみなされていた金融業界の人事部門が、異業界出身者を受け入れるようになって久しいですが、DX人材の不足が加速する中、特筆すべきは企業側が人事部門の採用担当者に求める要件が徐々に変化していることでしょう。熾烈な人材争奪戦が繰り広げられる中、DX推進を牽引する優秀な人材を採用しようと思えば、あらゆる業界が競合となります。その中で金融業界が他業界に対して優位性を示すために「これまでの金融業界を変えたい」「業界に風穴を開けるような起爆剤となりたい」というような、イノベーションに積極的な人材が人事部門において求められていることが非常に特徴的です。

 経験者に求められるスキルは多岐に渡りますが、ブランディングや人事採用企画をはじめ、能力開発支援の戦略企画、あるいは福利厚生制度を含む人事制度そのものの見直しなど、採用競争力を向上させるために抜本的な課題の解決ができる人事経験者が特に求められています。

 たとえば、アルムナイ採用やリターン制度などは採用企画で成功した例であると同時に企業ブランディングの一環としても功を奏した一例と言えそうです。新卒採用者をOJT研修などでゼロから文化醸成することを図らずとも、SNSでの交流をきっかけに既に社内風土に親和性のある元社員が出戻ることを歓迎する仕組みを取り入れることで、異業界で得た知見が新たな事業に発展する可能性もあるでしょう。

 リスキリングに代表される注目分野をはじめ、職場が楽しく、魅力的だと思える環境づくりやオウンドメディアによる風通しのよい発信やコンテンツ内容の企画立案、戦略構築、イベントの施策などもまた、人事部門担当者に求められるようになっています。

 またジョブ型採用導入に伴う報酬・条件・待遇の検討のみならず、昇給昇格の公正性、勤務地が限定された場合の福利厚生制度の見直しができる経験者も広く求められています。例えば既存の福利厚生を管理・運営する一方で、寮社宅制度に代表されるような、銀行ならではの手厚い福利厚生の在り方に新たなビジョンを描き、関係者と協力しながら福利厚生の項目そのものを再構築していく業務に関する求人案件も増えています。社宅に入りたくないという若い人も増えていますし、ライフスタイルが多様化する中、そもそも家族寮制度など家族ありきの福利厚生のあり方を見直すタイミングにあるともいえそうです。ここでは事業会社にて福利厚生に関する人事施策や人事制度運営に携わった経験をお持ちの方、あるいは福利厚生に関する経営企画のご経験をお持ちの方、またコンサルティング会社等で大企業向けに経営戦略策定や業務変革支援に携わった経験を有する方などが歓待される傾向にあります。某メガバンクの福利厚生費実績は数十億といわれています。これだけの大きい予算の仕事に携われ、数万人規模の従業員に影響をもたらす醍醐味や経営ボードに近いポジションでの仕事を魅力的と感じられる方にはお勧めです。人事部と頭取の定例ミーティングにおいては頭取に対しプレゼンの機会もあるようです。こうした環境の中で他社対比競争力のある福利厚生制度にしていくために、「ここはいらない、ここはもっとお金をかけるべき」と判断出来る方が期待されています。

 DX・IT戦略を拡大する中、人事戦略の中枢的な役割を担いつつ、ご自身のスキルや専門性を固められるチャンスと捉えることもできるでしょう。ご興味を持たれた方はぜひ、ご相談ください。

 コンサルタント 澤田勢多

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